歯周病について

歯周病とは

歯周病とは

歯周病は、静かに進行し、最悪の場合には歯を失ってしまう病気です。
初期にはほとんど症状(たまにおこる出血、歯ぐきのムズムズ、噛んだときの痛み程度)がなく、症状を自覚して歯科医院を受診したときには、重度にまで悪化していることがほとんどです。このことが、「サイレント・ディジーズ(静かな病気)」と呼ばれる所以です。
日本では、35歳以上の方の約8割が歯周病だともいわれています。
当院では歯周病専門医である院長が、正確な診断と、進行レベルに合わせた無理のない治療を行っております。

歯周病専門医とは

歯周病専門医とは、日本歯周病学会が、歯周病を専門的に治療する技術・経験・知識を有すると認定した歯科医師資格です。
厚生労働省が認可する歯科医師の5つの専門医のうちの1つです。全国の歯科医師のうち、歯周病専門医はおよそ1%、大阪市住吉区、堺市以南では数人がいるだけです。

歯肉炎と歯周炎

歯肉炎と歯周炎、これらはどちらも歯周病に含まれます。
「歯肉炎」は、歯周炎よりも以前に見られる症状で、歯ぐきのみに炎症が起こっている状態です。
対して「歯周炎」は、歯周病菌が歯を支持する骨まで侵し、その一部もしくは全てが失われている状態です。

症状

以下の症状が見られるときには、すぐにご相談ください。すでに中程度以上の歯周病である可能性が高いといえます。
  • 歯のぐらつき
  • 歯ぐきの不快感、ムズムズ
  • 歯ぐきの腫れ、出血
  • 歯ぐきの痩せ
  • 噛みしめたときの歯ぐきの痛み
  • 歯が長く見える
  • 知覚過敏
  • 口臭が強くなった

原因

原因

歯周病は、プラークに潜む歯周病菌によって起こる病気です。
プラークは、私たちが生き、食べ、飲む以上、必ず口内で発生するものです。溜まったプラークは、ご自宅で行うホームケア、歯科医院で行うプロフェッショナルケアにより、正しく除去する必要があります。

不良補綴物(不適合なかぶせもの)によって生まれるプラークの溜まりやすい環境

不良補綴物により、本来はなかったはずの段差、隙間が生じます。歯周ポケットを覆うように取り付けられた被せ物のせいで、歯周ポケットができてしまい歯周病菌の温床になっていることもあります。 こうなると、「ブラッシングに気をつける」というレベルでは解決できませんので、歯科医による補綴物の交換などが必要になります。

プラーク以外にも、さまざまなリスク要因が

歯周病は、プラークが存在する基で虫歯、歯並び、さまざまな病気、普段飲まれている薬、喫煙などの生活習慣などによっても悪化する、「多因子疾患」だといわれています。
治療にあたっては、一つ一つの因子を丁寧に拾いあげ、改善に努めてまいります。

歯ぎしり・食いしばりによって歯周組織の弱体化が進みます

歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯ぐきを支える骨に悪影響を及ぼします。強い力で噛むことで、歯周組織がダメージを受け、歯が揺れやすくなる原因となります。(歯ぎしり、くいしばりは固いものを咬む3~4倍の力が一本の歯にかかるといわれています。)
当然、歯ぐきだけでなく歯そのものもダメージを受け、摩耗が進み、虫歯の原因になります。
歯ぎしりや食いしばりの癖を放置していると、歯と歯ぐきの寿命を縮めることになります。当院では、マウスピースによる歯ぎしり・食いしばりの改善も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

歯周病の思わぬリスク

歯周病は、口内だけの悪影響に留まらず、いくつもの全身疾患と関係があることが明らかになっています。

全身疾患との関係

全身疾患との関係

歯周病菌によって歯ぐきが炎症を起こし、腫れると、その異常を知らせるサイトカインというシグナルが血管に乗って全身へと伝わります。進行・治療共に時間のかかる歯周病は、長期間シグナルを発信し続けることになりますので、免疫機能も長期間戦い続けざるを得ません。結果、全身の組織や臓器に悪影響を及ぼしているといわれています。
現在、心疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、アルツハイマー、さらにリチウムや脳梗塞の発症の一部が歯周病と関係していることが明らかになっています。なかには命に関わる病気もあります。歯周病を予防することは、これらの全身疾患を予防することにもつながるのです。

早産・低体重児出産のリスクとの関係

早産・低体重児出産のリスクとの関係

妊娠中に重篤な歯周病を抱えていることで、早産や低体重児出産のリスクが高まることが明らかになっています。
妊娠・出産をお考えの方は、一度ご相談いただき、歯周病の検査を受けてみませんか?
当院では、歯周病専門医である院長が丁寧で正確な診断を行い、進行の程度に合わせた無理のない治療を行います。
妊娠中の方であっても、安定期には安全な治療が可能です。お気軽にご相談ください。

早産とは

妊娠36週6日以前の出産を指します。不十分な体重で産まれる可能性が高まり、新生児医療が必要になることもあります。
日本臨床歯周病学会の調査では、妊娠している女性が歯周病である場合、そうでない女性と比べて、早産のリスクが2倍以上になると報告されています。

低体重児出産とは

2,500g未満の赤ちゃんが産まれることを指します。
日本臨床歯周病学会の調査では、妊娠している女性が歯周病である場合、そうでない女性と比べて、低体重児出産のリスクが4倍以上になると報告されています。

※いずれも、出典は以下のページです。
歯周病と妊娠

こうの歯科の歯周病治療

当院では、歯周病を一括りに診療するのではなく、歯周病専門医としての「診断力」を活かし、症例ごとに正確に進行の程度を判断した上で、患者さまに合った治療法をご提案しております。